心不全は病名じゃないので…異常死とAi(死亡時画像診断)~パコの場合~
2019年05月09日
☆木曜日☆
「れ~ろ☆と愛を届け隊」は ボランティアで構成する 動物保護団体「Arch」 の保護活動を応援しています。
動物保護団体「Arch」は、センターで殺処分を待つ犬猫を保護し、各ボランティア宅にて一時預かりをして里親を探す活動をしています。

フリマ物資の募集は終了しました。
※「愛を届け隊」のフリマ物資の募集につきましては、パコの七七日忌(5月13日)以降に募集スケジュールを告知させていただく予定です。 保護犬支援品は随時お受けしています。
よろしくお願いいたします。
「れ~ろ☆と愛を届け隊」プロジェクトは被災犬支援を目的に当Aブログで立ち上げました。
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よろしくお願いいたします。
月曜日に、テレビドラマ「ラジエーションハウス」で「異常死」と「Ai(死亡時画像診断)」のことをやっていた。当然のことながら、パコがAiを受けたことが蘇ってくる。
日本では年間100万人が死亡し、そのうち 原因不明の死亡(異常死)は15%。
Aiや解剖が成されるのは全体の2%(≒2万人)、すなわち、異常死15%のうち、少なくとも13%は死因不明のまま火葬される。
Ai とは、オートプシー(検死) イメージング(画像診断)の略。
CTやMRIによる死後画像で病変を診断し、死因を究明する。
Aiは解剖と違って遺体を傷つけることはないが、解剖前に異常な箇所を見つけ解剖する箇所を特定することに大きな意義がある。というのも、Aiだけで死因を究明することは100%可能ではないから。
Aiを扱う医療ドラマでは、いずれも、Aiでなんなく死因を見つけているが、実際はそんなに簡単に見つからないことも多い…パコの場合のように。

本日は、パコの最後の記録としての備忘録です。
自分の認識を確認するためにもきちんと文章として残しておきたいと記したものです(めちゃくちゃ長いです)。
しかしながら、事故・事件の関与が疑われる不審死でない限り、死亡の原因はこの臓器にあった、ということだけでもわかれば、遺族や飼い主も納得できるし、心も落ち着く。さらに解剖してそれ以上のことを追求することは、おそらく普通の人ならば誰も望まないだろう。

パコの場合、なぜ死因がわからなかったのか。なぜ死因となった箇所が確定できなかったのか。
肺に白い影があること(肺炎)(肺水腫になっていたかも?)以外、ありとあらゆる臓器に異常が見つからなかったからである。
下痢・失禁・嘔吐・呼吸困難・痙攣等の症状も全くなかった。
肺炎の悪化や肺水腫が死因ならば呼吸が苦しくなるはずだが、まさに、眠るように逝ってしまった。そして、生前の血液検査からも異変を表す数字は見つかっていない。
熱中症だったならば、血液検査で脱水症状や、ナトリウムなどの電解質の異常、さらに重症の場合は急性腎炎が見つかるが、生前の血液検査、レントゲン、エコーからそれらの異常は認められなかった。

生前の写真に比べAi画像のほうが肺の白い影が大きくなっていることが認められたので、死の直前に肺水腫が起きた可能性は見えた(それも確定的なものではない)。
何名もの経験値のある獣医さんが一週間かけて協議した結果のAi診断は、
「肺水腫の疑いがあることから、なんらかの原因で左心室に急性心不全があったと考えられる。際立った症状がなかったのは、おそらく心機能の停止のほうが早かったからであろう。」
結局、消去法による推定診断である。
急性心不全って…全然苦しまなかったのに???

心臓には4つの部屋がある。全身をめぐって体の細胞に必要な酸素と栄養分を供給した血液は、大静脈から右心房に戻り、続いて右心房から右心室へ入る。右心室の収縮によりその血液は肺動脈を通って肺へと送り出される。肺で酸素を取り込んだ血液は肺静脈を通って左心房に戻り、左心房から左心室へと送られ、左心室の収縮により大動脈を通って再び全身に送り出される。
右心系の機能不全は静脈系のうっ血が主体となる。 この場合、液体が過剰に貯留するのは体全体、特に下肢であり、下腿浮腫があらわれる。 そのほか、腹水、肝腫大、静脈怒張など、循環の不良を反映した症状をきたすため、パコの場合にはあてはまらない。
左心系の機能不全の場合、肺に血液が溜まり(肺うっ血)、やがて肺が水浸しの状態(肺水腫)になる。こうなると、動くと苦しいといった症状("労作時息切れ)"が現れるようになり、激しい呼吸困難を伴う。最後まで呼吸困難になることはなかったパコの場合、その症状に陥る前に心臓停止があった、との推測である。
しかし。

ここで考慮すべき点は、「心不全」とは、「何らかの原因」で心臓に異常が起こり、心臓のポンプ機能が低下して血液を十分に送り出せなくなった状態を言うのであって、「心不全」という病名はない、ということ。
人間が死亡した場合でも、医師が書く死亡診断書には、「心不全」とは書かず、その原因として考えられるものを記載すること、と厚生労働省からの指導がある。
ならば、「何らかの原因」とは一体なんだったのか。
パコの心臓に何が起こって、どのように心臓のポンプが故障してしまったのか。
もちろん、考えられる原因は数多くあるが、一般的に主たるものとして考えられる原因は、次の5つ。
1 心臓病(狭心症、心筋梗塞、拡張型心筋症、弁膜症など)の悪化、または、心臓の電気の特殊な異常(QT延長症候群、Brugada症候群など)の発生
2 気管虚脱、喉頭麻痺、気管支拡張症、ぜんそくなどの激しい発作(⇒肺水腫や血栓症の発生を促し、急性心筋梗塞などを引き起こす)
3 高血圧の状態が続いたことによる心臓への過度な負担(⇒心臓への負担だけでなく、心臓の筋肉の質的劣化をきたす)
4 (致死性)不整脈(これも心臓の電気異常現象のひとつ。突然死の8割は心室細動、心室頻拍などの頻脈で、あとの2割は心停止などの徐脈であるとの報告がある。ほとんどが心疾患を持った場合に起こる一方、心室細動は直前まで元気で本人も回りも全く気づかないことが多い。)
5 その他(多臓器不全、老衰など)
【1の検証】
パコは僧帽弁膜症があり、定期的(4ヶ月毎)に心電図と心臓エコーを受けていたが、特記すべき異常はなく、手術を必要とする顕著な悪化は見られなかった。
僧帽弁膜症が死に直結するほど悪化していたら、少し動いただけで何十メートルも全速力で走ったあとのように息遣いが荒くなり、普段の呼吸も肩で息をする、という状況が続いていたはずである。パコにその兆候は全くなかった(後述するが、就寝中の呼吸は早かった)。
僧帽弁膜症による急性心筋梗塞ならば呼吸困難に陥ってあっという間に死に至るが、もとより、僧帽弁膜症が数日、数時間で悪化することはあり得ないことで、悪化とともにむくみが出て体重も増加するという特徴からも、パコには全く当てはまらない。
【2の検証】
パコには、気管虚脱、喉頭麻痺、気管支拡張症、ぜんそく等気管系の既往症はない。
【3の検証】
腎臓病による高血圧が心配されたので毎日血圧を測っており、毎月病院でも計測。高血圧の兆候は全くなかった。
【4の検証】
致死性不整脈も心臓の異常のひとつ。パコには頻脈の傾向があり、寝ているときもりれらに比べて呼吸の早さが1.5倍くらいあった。直前まで元気であったこと、眠るように亡くなったことなどから、心臓の電気異常により、心室細動が起こったのではないか、と推測・診断された。
【5の検証】
不整脈が起こった原因として、多臓器の老衰によるもの(多臓器不全)、すなわち、老化により多臓器において機能が低下したことで不整脈が起こった、という見解もある。
すなわち、
「多臓器不全で不整脈を起こし、左心室のポンプが機能不全となった。その結果肺水腫にもなったが、肺水腫の症状があらわれる前に心機能が停止した。多臓器不全となった原因と肺炎との関連性、布団に潜りこんだことによる影響は明白ではないが、多臓器における老化の可能性も考えられるため、天寿を全うしたと言っていいのではないか」
ということである。

「病気が見つかると、余命はどのくらいですが、あと一年生きられますか、と聞く飼い主さんが多いけど、犬にとっての一年は人間の5年以上に相当する。」
「まして病気の老犬にいたっては10年近くに相当するといっても良いくらい。」
「(パコの場合)普通に生活出来るようになったことだけでも奇跡的なことなのに、その状態で3ヶ月近く過ごしたのは、人間でいったら、1-2年以上を過ごしたことになる。」
「腸がグダグダに委縮していて、通常ならばあの状態から生還することは考えられない。寿命を超えて頑張っていたとしか言いようがない」
と言ってくれたけど、
布団に潜って出られなくなってしまったことで多臓器不全が起きた、という可能性は残されているし、帰宅後に「あとから熱中症(時間差熱中症)」が発症した可能性も否定できない、と今でも私は思っている。
いや、「思っている」のではなく、「確信」し、どうしようもない後悔と自責だけが心の中に渦巻いている。
「やることはすべてやったので後悔はない」
「ずっと介護をしてきたから、悲しみよりも達成感がある」
愛犬の旅立ちにこんな風に言う人もいる。
「もっとやれることがあったのでは」
「他の治療法があったのでは」
どんなに献身的に介護をしても、後悔や懺悔の気持ちに陥る人もいる。
これは性格の違いなんだとと思う。
私のように、自責に苦しむ人もいるだろう。
それまでパコと頑張ってきたこと、パコのためにやってきたことに後悔は全くないのに、あの瞬間の自分の不注意のために旅立たせてしまった。
「あのとき、布団に潜っていたことに少しでも早く気づいていたなら、私がちゃんと見てさえいたらもっともっと長生きできたのに。」
悲しみはやがて時と共に癒されるが、この後悔と自責の念が消えることはない。
パコと過ごした7年8ヶ月、これらの楽しくてキラキラ輝いていた時間を慈しみながらも。。。
「パコさん、さすが! すごい!」とあらためて思ったこと二つ。

胆嚢、胆管とも正常に機能し、それを持続していた(粘液嚢腫が消えた以降、その状態を維持)。
ERに入院したときに撮ったCT検査の写真と比較し、腎臓の悪化がほとんどなかった(腎臓病の悪化は完璧なほどに抑えられていた)。
ならばもっと生きていてほしかったという思いも強くなるが、退院後のパコは、辛いのを我慢していたのではなく、食べることが大好きで、最後まで自分の足で歩き、とても快適に楽しく過ごしてくれていたことがわかって安堵している。
「このまま寝たきりであと2-3日」の状況で夜11時に退院し、その翌朝自分の足で歩いているのを見て、私は腰が抜けそうなくらい驚いた。家が大好きだったパコさん、目が見えなくて耳が聞こえなくても、家に帰って来たことがわかってすごく嬉しくて、奇跡を起こしてくれたんだろう。
その後のパコさんの回復ぶりは物凄すぎて、奇跡に次ぐ奇跡に、検査のたびに獣医さんは目を丸くして首をかしげながら「信じられない」を連発し、「パコちゃんの毛をお守りに入れたい」とまで言われ、わくわくしながらパコと過ごした最後の3ヶ月は、私にとって、貴重で楽しい日々だった。

パコの亡骸を車で30分の別の病院に連れて行きAi診断をして、待合室では「自分、何してるんだろう」と茫然自失状態になりながら、結局原因不明で推測診断しか得られなかったけど、それでもやっぱり、Ai診断はやってよかったと思う。「不調があったのに見過ごしていた」わけではない、ということもはっきりした。
そして、何よりも、「私、頑張ったでしょ」、パコの最後の言葉を聞いたように思える。

この記事を書くのは辛くもあり、何度も書きながら涙が止まらなくなったけど、パコの死ときちんと向き合おうと思い記しました。今も涙ボロボロ状態です。布団から出した時の熱かった体、息を引き取りどんどん冷たくなる体、最後の何かを見つめたまま動かなくなった目、そのときの感触や目に映ったものが鮮明に蘇ってきます。最後に大きく2回口を開けたこと、「パコちゃんはありがとうって言っていたと思う」と言ってくれた方がいます。そうだったらいいな。。まもなく四十九日だというのに、なかなか立ち直れないヘタレな

【お詫びとお願い】
パコにたくさんの供花を賜り本当に有難うございます。
誠に申し訳ないのですが、いただいたお花のうち、ひとつだけ、お名前がわからず、お礼を申し上げていないままです。
お供え物を送ってくださった皆様には(不躾ながら)ラインまたはメールでお礼のメッセージを送らせていただいております。「あれ、メールもラインも届いてないよ」という方、大変お手数で大変失礼ではありますが、ご連絡いただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
誠に申し訳ないのですが、いただいたお花のうち、ひとつだけ、お名前がわからず、お礼を申し上げていないままです。
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